Care: Troubleshooting 5

Care: Troubleshooting 5

トラブルシューティング5:ゴワついて硬い革をこなれさせたい!

トラブルシューティング5ゴワついて硬い革を
こなれさせたい!

2011年発行 「日本の革 4号」より

シーズン前のひと手間で
納得の着心地&ルックスに

冬を迎え、いざ着ようと取り出したレザージャケットがなんだかゴワゴワ硬い…。その原因として考えられるのは、油分不足による硬化。頼りになるのは保湿効果の高いワックスだ。
ワックスは薄く伸ばし、半日置いて革の奥まで浸透させるのがポイント。ちなみに、「ワックスを塗るのは夜がおすすめ」と高木さん。寝る前に塗っておけば、翌朝、乾拭きするだけで着られるというワケだ。
また、さらなる柔らかさを求めるなら「水拭き」をプラスするという奥の手も。〜度のぬるま湯に浸し、硬く絞った布で気になる部分を拭いた後、ワックスを塗るという方法だ。ただし、色ムラになりやすい革もあるのでご注意を。

1年ぶりに袖を通すレザージャケットは、脇のあたりや肘回りなど、アクションの多い部分の硬さが特に気になる。見た目にも、もう少しこなれた感じが欲しいところ。

Step 1. 事前に汚れやほこりをオフ

ワックスを塗る前に、まずはブラッシングをして汚れやほこりを取る。縫い目やファスナー部分など、ほこりが溜まりやすい場所は特に念入りにブラシをかけるようにする。

Step 2. ワックスは“薄く”でOK

スポンジや布などにワックスを薄く取り、サッサッと軽く撫でるようにして革に伸ばす。使用するワックス量は一着につき5g程度。しっとりするほど塗る必要はない。

Step 3. 手で浸透させると効果的

ワックスを塗った後、より柔らかくしたい部分があれば手で馴染ませる。また、ファスナーや縫い目などワックスがたまりやすい場所は、ブラシをかけておくとムラを防げる。

Step 4. 乾拭きをして仕上げる

ワックスを塗ったら必ず半日以上休ませ、革の奥まで浸透させる。その後、表面に残った余分な油分を乾拭きする。ゴシゴシ拭くのではなく、やさしく撫でるイメージで。

Step 5. 気になる部分は再ワックス

ジャケットを着てみて、まだ硬さや窮屈さが気になる部分があれば、そこに再度ワックスを塗り込む。スポンジにやや多めのワックスを取り、軽く撫でるように伸ばしていく。

Step 6. 脇の下や背中も忘れずに

硬さや窮屈さをチェックする際は、普段一番よく着るであろう服をジャケットの下に着て、体を動かしてみるとよい。動かしづらいと感じた部分には、さらにワックスを塗る。

Step 7. 体を動かして馴染ませる

塗ったワックスは拭き取らず、体を動かしたり、手で揉み込んだりして浸透させる。ちなみに、シーズン中は月一度くらいの頻度でケアするとベストな状態をキープできる。

Step 8. 完成!

油分が革の奥まで染み込み、しなやかさとツヤが出た。また、ジャケットを着た状態でワックスを塗り、体を動かしたことで、長期間着たような立体感もプラスされたのがわかる

しなやかさを生むケアグッズ

1.ブタ毛をすいて柔らかくしたブラシ。デリケートな革にも安心。
2.やや硬めのブタ毛ブラシ。ほこりや汚れなどを効果的に落とせる。
3.馬毛のブラシ。ワックスを塗った後にこれでブラッシングすると、よりムラなく伸ばせる。
4.乾拭き用の布。
5.ワックスを塗る際に使うスポンジ。
6.ワックス塗布用の布。
7.天神ワークスオリジナルの保湿効果に優れた“ジョジョバワックス”(20g/¥950)。

“いい感じ”のニュアンスに
仕上げるためのワンモアステップ

買ったばかりのジャケットや、ケアを怠って硬くなってしまったジャケットに“着倒した感”を出したいなら、手でニュアンスをつける方法がおすすめ。襟の部分を揉み込んでみたり、ポケットや袖口を引っ張ったり…。スポット的に行うだけでも雰囲気が出る。

つかむ!

握る!

つまむ!