Knowledge: Leather Finishes

Knowledge: Leather Finishes

レザーフィニッシュ:仕上げで変わる革の表情

レザーフィニッシュ仕上げで変わる革の表情

革のバリエーションは原料となる動物の違いだけではない。
なめしや仕上げの方法によってその表情はまったく違ったものとなる。
素材本来のもち味に加工による風合いが、革の楽しみをさらに広げてくれる。

2010年発行 「日本の革 3号」より

型押し

革の表面に高温高圧のプレスで凹凸を付けて表情を与える手法。天然のしわと違い自由に好みのしわを転写することができる。靴、鞄、ケース、衣料などに使われる。

ヌバック

スエードやベロアと違って銀面側をやすって起毛させた革。もともと繊細な銀面を毛羽立たせているため、その毛足は非常にきめ細やかで、繊細な肌合いを楽しむことができる。

ヌメ革

「素仕上げ」とも呼ばれ、タンニンなめしの革を無染色で仕上げた革。色はオフホワイトから薄いベージュ色をしている。広義には染色してある素仕上げのものも含む場合がある。

オイルレザー

ロウやオイルなどで撥水性や堅牢性が与えられた強化レザー。オイルレザーはそのうちのひとつで、革に多量のオイルを加えることで、耐水性と柔軟性をもたせたもの。

ガラス張り

クロムなめし後、ガラス板またはホーロー板に貼付けて乾燥させ、銀面をサンドペーパーで削り、樹脂を吹き付けて表面を平滑にしたもの。成牛の革が使われることが多い。

スエード

革の裏側である床面をサンドペーパーで毛羽立たせ、短く起毛させた仕上げの革。主に子牛や山羊の革でつくられる。中でもシルキースエードは高級品として珍重される。

もみ革

革の銀面を手や機械を使って揉むことによってシボを付けた革。揉む方向によって「水シボ革」、「角シボ革」「角揉み革」、「八方揉み革」などと呼ばれている。

エナメル

革の銀面にボイルアマニ油またはワニスを塗り乾燥させることを繰り返して表面に光沢のある強い被膜をつくった革。現在はウレタン樹脂によって光沢膜を形づくることもある。

ベロア

スエードと同じように床面を毛羽立たせた革ではあるが、その毛足が長いのが特徴。使われている原皮も、成牛など繊維の粗い大型動物のものが多い。

シュリンク

「縮む」という英語の意味の通り、なめし工程で熱や薬品によって革の銀面を収縮させてシボを出したもの。シュリンクすると柔らかくなり、シボによって傷も目立ちにくくなる。