トミーメイド | Japan Leather Guide(ジャパンレザーガイド)

Products: TOMYMADE

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トミーメイド:ほかに類を見ないクリエイティブなモノづくりが魅力の新鋭ブランド

トミーメイドほかに類を見ないクリエイティブな
モノづくりが魅力の新鋭ブランド

トミーメイドを立ち上げたのは2017年。しかも他の革ブランドとは一線を画すアプローチでのデビューだった。
手がけているTOMY氏はレザー職人として経験を積んだ人物だが、その域を超えた活動をしている。本人は造形しているという感覚が強く、レザー作家という肩書きが一番しっくりくるかもしれない。高校時代は強豪校でピッチャーを務め、野球漬けの毎日を送っていたTOMY氏。大学に入学するとすべての自由と欲を解放して遊ぶ日々だったが、いつしか虚無感に襲われるようになったという。野球がそうだったように、好きなことに打ち込むことが必要だと感じてレザーに行き着く。当時、アパレル販売のアルバイトをきっかけに独学で財布などを作っていたこともあり、レザー職人を目指すことにしたのである。大学卒業後は、西武開拓時代のカウボーイやインディアンのカルチャーを日本ではじめて取り入れた大阪の工房に6年、セレクトショップのOEM製造などを受託するメーカーに4年ほど在籍。10年間でレザー職人としての技術やノウハウを学び、2017年に独立を果たす。その流れだと財布をはじめとするオリジナルプロダクトをつくるのがお決まりのコースだが、TOMY氏は違った。さまざまな空間を手がける設計士やインテリアショップとタッグを組み、1点モノのレザーのオブジェやインテリアなどを制作したのである。昨今はショップで使う什器を作って欲しいというアパレル会社からの依頼も多く、アートワークの活動の幅をさらに広げている。それがレザー作家という肩書きがしっくりくる理由なのだ。

デビュー時から掲げているテーマは、「アート・ユニセックス・サステナブル」。現在はバッグや財布といったオリジナルのプロダクトも展開しているが、シーンズンごとに新作を発表したり、量産してショップに卸すようなことはしていない。それはレザーの技法をクリエイティブに消化するという自分のスタイルには合っていなし、なにより生産性が重視され、ロスが当たり前のように生まれるモノづくりに疑問を感じているからだ。
TOMY氏が発信しているのは、本当に持ちたいと思えるデザインに絞られている。かといって、奇をてらったデザインというわけではない。バッグにはある程度の遊びを加えているものの、そのほかのプロダクトはいたってシンプルに仕上げられている。
むしろこだわっているのは、上質な素材を使った本格的なつくりでありながらもレザー特有の堅苦しさはなく、女性でも気軽に取り入れられるデザインであること。さらに実用的なプロダクトを制作する上でどうしても出てしまう端材は、有名ブランドとのコラボなどで制作するオブジェとして蘇らせている。そういったあらゆる活動を通して、ブランドテーマは体現されているのだ。

TOMY氏にとってレザーは、空間を含めてすべて衣食住とつながっている。だからといってレザーだけになると、自分の好きなバランスではなくなってしまう。北千住の工房が併設しているショップ(※アポイント制)は、Tシャツやクッションなどを含むオリジナルプロダクトに加え、ヴィンテージの花器などのインテリアやシルバーアクセサリーといったセレクトアイテムも並ぶ。これはブランドの世界観を表現しているのはもちろん、好きなバランスを保つにはレザー以外のアイテムもないと成立しないと考えているからだ。
また、今後は販売した財布を買い替えるタイミングなどで回収し、別のプロダクトとして蘇らせるプロジェクトを計画中だという。日本にはさまざまな革ブランドが存在するが、トミーメイドの未来を見据えたクリエイティブな取り組みやモノづくりは、とりわけ異彩を放っている。

キャッシュレス派のニーズに応える
ミニマムなL字財布

希少価値の高いコードバンの革小物というと、どこか男性的でお堅いイメージがある。トミーメイドでは染料染めで仕上げた水彩画のように透明感のある美しい発色により、ほかとは一線を画すモードかつモダンな雰囲気を醸す。柔らかなピンクゴールドカラーのファスナーや限りなく黒に近いネイビーのファスナーテープも相まって、その雰囲気をさらに盛り上げている。マチを省いた極薄フォルムに仕上げていながら、2つ折りのお札や小銭、カード3枚をすっきり収納可能。さらに内装の仕切りを使えば、整理してスマートに収められるというのもポイント高い。


TOMYMADE LZIP

素材
馬革
価格(税込)
¥38,500