Products: TOMYMADE
トミーメイド:ほかに類を見ないクリエイティブなモノづくりが魅力の新鋭ブランド
デビュー時から掲げているテーマは、「アート・ユニセックス・サステナブル」。現在はバッグや財布といったオリジナルのプロダクトも展開しているが、シーンズンごとに新作を発表したり、量産してショップに卸すようなことはしていない。それはレザーの技法をクリエイティブに消化するという自分のスタイルには合っていなし、なにより生産性が重視され、ロスが当たり前のように生まれるモノづくりに疑問を感じているからだ。
TOMY氏が発信しているのは、本当に持ちたいと思えるデザインに絞られている。かといって、奇をてらったデザインというわけではない。バッグにはある程度の遊びを加えているものの、そのほかのプロダクトはいたってシンプルに仕上げられている。
むしろこだわっているのは、上質な素材を使った本格的なつくりでありながらもレザー特有の堅苦しさはなく、女性でも気軽に取り入れられるデザインであること。さらに実用的なプロダクトを制作する上でどうしても出てしまう端材は、有名ブランドとのコラボなどで制作するオブジェとして蘇らせている。そういったあらゆる活動を通して、ブランドテーマは体現されているのだ。
TOMY氏にとってレザーは、空間を含めてすべて衣食住とつながっている。だからといってレザーだけになると、自分の好きなバランスではなくなってしまう。北千住の工房が併設しているショップ(※アポイント制)は、Tシャツやクッションなどを含むオリジナルプロダクトに加え、ヴィンテージの花器などのインテリアやシルバーアクセサリーといったセレクトアイテムも並ぶ。これはブランドの世界観を表現しているのはもちろん、好きなバランスを保つにはレザー以外のアイテムもないと成立しないと考えているからだ。
また、今後は販売した財布を買い替えるタイミングなどで回収し、別のプロダクトとして蘇らせるプロジェクトを計画中だという。日本にはさまざまな革ブランドが存在するが、トミーメイドの未来を見据えたクリエイティブな取り組みやモノづくりは、とりわけ異彩を放っている。
希少価値の高いコードバンの革小物というと、どこか男性的でお堅いイメージがある。トミーメイドでは染料染めで仕上げた水彩画のように透明感のある美しい発色により、ほかとは一線を画すモードかつモダンな雰囲気を醸す。柔らかなピンクゴールドカラーのファスナーや限りなく黒に近いネイビーのファスナーテープも相まって、その雰囲気をさらに盛り上げている。マチを省いた極薄フォルムに仕上げていながら、2つ折りのお札や小銭、カード3枚をすっきり収納可能。さらに内装の仕切りを使えば、整理してスマートに収められるというのもポイント高い。