Knowledge: Lady's & Custom

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レディース&カスタム:婦人靴でおさえておきたい 5つのこと

レディース&カスタム婦人靴で
おさえておきたい
5つのこと

女性が大人の仲間入りを実感するひとつがヒールだろう。
ヒールはエレガンスを演出する欠かせない重要なポイント。
だからこそ、足に負担をかけないしっかりとした選び方を知っておきたい。

2014年発行 「日本の革 7号」より

サラ・ジェシカ・パーカーに「ヒールを履いていると心地いい。高ければ高いほどいいのよ」といわしめた映画『セックス・アンド・ザ・シティ』。全世界の女性を虜にしてやまないヒール。精神的な満足感はなにものにも代えがたいが、毎日履く用の靴としては、少し慎重に選びたいところ。外反母趾などの足のトラブルは、自分の足に合っていないことが一因ではあるが、前のめりの歩行姿勢となる高すぎるヒールも同様。正しい歩行には血液を循環する役割もあり、踵がきちんと落せていないヒールはその運動をも阻害してしまい、冷えの原因にもなる。日常使いと特別な靴は、ぜひとも使い分けたい。

1.ヒール

ヒールが安定していること

当たり前だが、地面においたとき、斜めだったり、がたついたりしているヒールはNGだ。ヒール底面の設置角度が水平になっていること。これはいうまでもない前提条件である。

2.高さ

普段使うなら、5cmが目安

適度な高さのヒールは蹴り出しをスムーズにする効用もある。その目安は3cm。通常使用に問題ないとされるヒール寸は5cmである。それ以上のものはハレの日用としたい。

3.カウンター

土踏まずまで覆う芯材が入っているか

触るとわかるが、ここにはカウンターと呼ばれる踵をホールドする芯材が入っている。足によいパンプスは、外くるぶしから土踏まずにかけて、すっぽりと覆う構造となっている。

4.シルエット

踵が包み込まれる形状をしているか

ヒールが高くなればなるほどストッパーの役割を担う構造が必要だ。それが右のカウンターであり、もうひとつが踵を乗せるインソールの形状。お椀のように包み込む構造が理想。

5.つま先

丸みとゆとりのあるシルエットが◎

紳士靴の項でも解説したが、伸び縮みする足の運動領域を踏まえた捨て寸と呼ぶゆとりが必要である。また、爪先はなるべく指を締め付けない、丸みのあるシルエットを選びたい。

オーダーメイドのススメ:
足を健康に保つオーダーメイドという選択

全体重を支え、かつ歩行という重労働をサポートする役割が求められる靴はなるべく合ったものを選びたい。しかし足も顔同様、十人十色。業界では標準サイズである23cmをシンデレラサイズというように、そもそも既製靴がぴたりとフィットするのは稀である。ダイナス製靴はシューフィッターの礎をつくり上げた会社だ。オーダーを考えているならば候補に入れておきたい。

1.計測

採寸箇所は30カ所に及ぶ

まずは採寸。採寸ポイントは、なんと30カ所にも及ぶという。「だいたい1時間は見てください」というのももっともだ。こちらはサービスなので、気になる方はぜひ、試したい。

2.靴型

つくった木型の保管は半永久

採寸した数値をもとに一から木型を削る。圧巻は、その木型をずっと保管し続けるという。同社では、一度つくればいつでも自分の足にあった靴が手に入るというわけだ。

3.製作

デザイン、素材は無限大

名門老舗のファクトリーだけにデザインも素材も豊富だ。在庫にないレザーであれば取り寄せも可能だし、憧れの女優が履いている靴が欲しい、なんてオーダーもできるという。

4.靴合わせ・完成

完璧な仮縫いでとことん試し履き

注文靴では仮縫いの名のとおり、急ごしらえの靴で足入れを確認し、本番の靴をつくるが、ダイナス製靴では仮縫いから完璧に仕上げ、期間を設けず普段の生活で試してもらう。