Creative: Sanyo

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山陽:ニーズを深耕する取り組みで ジャパンレザートレンドを牽引する 価値創造型タンナー

山陽ニーズを深耕する取り組みで
ジャパンレザートレンドを牽引する
価値創造型タンナー

老舗タンナー 山陽のさまざまなチャレンジングが
革のあるライフスタイルを変える!
もっと便利に、もっと安全に、もっと楽しく。

2022年取材

姫路を拠点に100年以上の歴史を誇る日本トップクラスの高品質レザー(革)をつくるタンナー、山陽。「MAKER’S LEATHER つくる人の革を、つくる。」をスローガンに、革によるものづくりを全面的にサポートするレザー・カンパニーとして、皮革業界を牽引。老舗企業でありながら、絶えずプロジェクトを始動。新たな潮流を生み出している。

そのひとつ、「100 BASIC プロジェクト」は、同社の基本の技術であるヌメ革の加工の手法をデモンストレーションするもの。繊細かつ緻密な革づくりをストレートに表現し、完成度の高さに驚く。

10種の仕上げと10種のベースが交錯するグラデーション。圧倒的なスケールと美しさは、職人たちが手仕事を積み重ね、情熱を注いだ結晶。見る人の心を揺さぶる。同じベースでも表情や味わいが微妙に異なってしまうため、過酷な自然環境、気温、水温、湿度の変化と対峙しながら調整している。均質に仕上げる技術力、チーム力にただただ感服するばかり。2017年、革づくりはもちろん、仕組みづくりまでもが評価され「グッドデザイン賞」を受賞した。

オリジナル製品ブランド「WHOSE LEATHER」では、アウトドアブームに先駆けたハンモックやステイホーム時代を予見させるステイショナリーなどを数多くラインナップ。ユーザーの暮らし、生き方に想いをめぐらせ、「信じられる革」で仕上げる新しい日常生活の革製品をいち早く提案し、高く評価された。

SDGsにも意欲をみせ、現段階で皮革企業が優先的に取り組む課題9項目(原料や工程だけでなく雇用環境やエネルギー対策など)をピックアップし、達成に向けた活動を推進。そのなかで、クロムの使用を低減するという目標を掲げた。省クロム鞣し革の製造販売(2020年より)、クロムを使わない鞣し革(フルベジタブルタンニン鞣し、白革鞣し)の販売促進も進める一方、公式ウェブサイトでも詳細に解説し、安心・安全な革づくりへの理解を促す。

近年、航空宇宙産業の国際規格JIS Q 9100認証を取得。クリーンネスを徹底し工場設備の隅々までチェックする厳正な検査をクリアした。現在国際環境基準「LWG(レザーワーキンググループ)」取得に向けた取り組みを実施中。

そんな世界レベルのファクトリーでは航空機シート用のレザーづくりにも挑戦している。高い難燃性と低発煙性に加え、今後の需要となる抗菌・抗ウイルス機能にも対応。公共交通機関への採用は、著名なデザイナー水戸岡鋭治氏監修のバスや鉄道車両など相次ぐ。

2022年10月からレザーアイテムブランド「TAANNERR」がスタート。革小物、レザーバッグなどがそろう。最高級の革を使用し細部にまでデザイン性を追求。嗜好が二極化するユーザーの傾向に合わせ、上質でニューノーマルな日本製革製品が提示される。

変化が激しい時代と向き合い、企業マインドおよび革づくりに関わるすべてのものごとをアップデート。日々改善に取り組み続ける老舗タンナーの革新は止まらない。