Creative: Matsuoka Glove

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松岡手袋:その手袋は、地方から世界へ。 新しいチャレンジは、これからです

松岡手袋その手袋は、
地方から世界へ。
新しいチャレンジは、
これからです

決して地方は、中央の対義語ではない。
四国から海外へ飛び出そうとしている東かがわの手袋。
質の高いものづくりは、世界の共通語だ。

2008年発行 「日本の革 1号」より

「イチローやハンカチ王子もみんな東かがわの手袋なんです」
日本でつくられる手袋の約90%を生産する、東かがわ市。その技術は世界でも屈指のレベルを誇る。前述の松岡氏は遠望する。
「イタリアやドイツは約300年の歴史がある。でも、昔ながらの製法を頑なに守っている工房が多いんです。それはとても大事なことですが、“より良い手袋とは何だろう?”と使う人のことを懸命に考えると、つくる側も進化しなければならない。研究を怠らず、技術を磨いて、品質を高める努力を続けていく。そのものづくりの姿勢こそ、メイド・イン・ジャパンの強みだと思います」

机上の地方分権などどこ吹く風と、四国の片隅で松岡氏の瞳は力強く輝く。その視線は、海をも越えていく。
「アジアの度重なる技術指導とともに、“エルゴグリップ”は海外6カ国で特許申請中です。ITの進化した今、先達の仕事を踏襲するだけでなく、世界を見据えて日本の匠の技を発信していく。そんな発信力をより高めていきたいと思っています。介護用の手袋だったり、宇宙飛行士の手袋だったり、世の中には良い手袋を必要とするシーンが山のようにある。世の中に役立つ手袋を、これからもつくっていきたいですね」
穏やかな瀬戸内の海辺から放たれる視線は、夢と希望に満ちている。