Care: Storage

Care: Storage

ストレージ:使わない時こそ気を抜くな! 保管編

ストレージ使わない時こそ気を抜くな!
保管編

お気に入りのレザーアイテム、使おうと思ったらカビが…!
なんて経験がある人も多いのでは?
そんな惨事に泣かないよう、正しい保管方法を習得しよう。

2010年発行 「日本の革 3号」より

お気に入りのレザーアイテムを、好きなときに最高のコンディションで使うためには、保管のときこそ気を抜かないことが不可欠。ちょっとしたひと手間で、毎回気持ちよく使うことができ、革製品ならではのアジが増していくのだ。保管の大ポイントは、しまう前にきちんとベーシックケアを施すことと、保管の際の型崩れに留意すること。汚れをきちんと取り除き、防虫、防湿、防臭などの策を講じたうえで、そのアイテム本来のキレイな形をキープしつつ収納することがすべてなのだ。
「タンスの中にしまっていても、扉を開けるたびに蛍光灯の灯りを浴びることで変色しますよ」
それくらい繊細なものだと肝に銘じて、愛しのわが子を育てていこう。

約5年間使い込んだ鞄。収納に気を配っていなかったため、底部分が若干つぶれている。

Step1. ブラッシング

まずはブラッシングで汚れを取り除いていく。今回は馬毛のブラシを使用。毛穴に詰まった汚れを掻き出していくようなイメージで。縫い目などに詰まった汚れも取り除こう。

Step2. スプレークリーナー

スプレー式のクリーナーを吹きつけ、クロスで押し付けてから拭き取っていく。汚れをとるのは革にとっては負担なので、無理にこすろうとしないのがポイント。

Step3. クリームクリーナー

スプレークリーナーで浮き出た汚れを、さらにクリームクリーナーで取り除いていく。表面を触っても、クリームがついているかわからないくらい少量でOK。塗りすぎは禁物。

Step4. 防水スプレー

最後の仕上げに防水スプレー。いきなり吹き付けて液がボテッとつくとシミになることがあるので、何もないところで吹き始め、そのまま革の上に移動させるとGOOD!

Step5. 中のゴミをはたく

知らないうちに、意外に汚れてしまうのが鞄の中。逆さまにしてゴミをはたこう。毎日使う鞄もたまに中身を空にして、ホコリやゴミをためないようにする努力が大切だ。

Step6. 防臭スプレー

仕上げに防臭スプレーをシュッとひと吹きしておくと嫌な匂いが防げる。中面が汚れているようであれば、先に中性洗剤をうすめたものを固く絞って叩くように拭き取っておこう。

Step7. 中材を詰める

不織布に新聞紙を詰め、ちょうどいい大きさにした中材を詰める。新聞紙のままだとインクの色移りがあるので避けよう。最後に湿気取りも入れておくとカビ予防に効果的だ。

Step8. 吊るして保管

鞄のキレイな形をキープするためには吊るして保管するのがベスト。その際には、細いフックや針金ハンガーは避けて、持ち手の形状に合わせたものを選ぶのが大切。

ウエアの保管はハンガーがポイント

ハンガーにかけた状態で長期間重力に引っ張られることになるウエアは、ハンガー選びが最大のポイント。革に食い込んでしまう細いハンガーは言語道断だが、特に気をつけたいのは肩幅。サイズの合わないものにかけて保管していると、ハンガーの形に革が変形してしまう。事前のチェックを怠らないこと!

ジャケットの肩幅に合ったハンガーを選べば、本来のキレイなシルエットのまま保管できる。対して、大きすぎるハンガーだと肩がポコッと飛び出し、このままの形に変形してしまう。

嫌なクセがついてしまった場合はアイロンで直せる。低温から中温で、必ず布の上からアイロンをあてる。

濡れてから急激に乾くと革は変形してしまうので、スチームは厳禁!目立たないところで試してから実践を。