マドラス | Japan Leather Guide(ジャパンレザーガイド)

Products: madras

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マドラス:エレガントな革靴に高機能を盛り込んだ立役者

マドラスエレガントな革靴に
高機能を盛り込んだ立役者

今年で創業102年を迎えたマドラス社は、長きにわたり靴づくりに真摯に向き合ってきた。
伝統を大切にしながらも時代の流れや最新の技術もフレキシブルに取り入れ、今もなお絶え間ない革新を繰り返している。看板ブランドのマドラスをはじめ、現在はメンズ・レディスを含めて全17ブランドを展開するまでに成長。ブランドのこだわりを言及する前に、まずは日本の靴業界に影響を与えてきたマドラス社の歴史から振り返っていこう。その起源となる岩田商店が創業したのは1915年。二代目の岩田武七氏は「これからは草履ではなく靴の時代が来る」と考え、1921年に革靴製造を主な業務とする亜細亜製靴(1959年にアジア製靴に改称)を設立。アメリカのグッドイヤーウェルト式の機械を導入し、本格的な靴づくりがスタートしたのである。大きな転機となったのが、イタリアのマドラス社との技術提携。1965年にイタリアの生産背景や技術を学ぶために工場を視察し、そこで出合ったのがマルケ地方の伝統技法であるマッケイ製法だ。マッケイ製法での靴づくりに着手し、後に「マッケイ縫いのマドラス」と呼ばれるほど同社の象徴になっていったのである。1983年には社名を現在のマドラス株式会社に変更し、1994年に全世界のマドラス商標権を譲り受けた。軽くて馴染みやすく、日本人の足に合った快適な履き味。それでいてイタリアらしいエレガントで美しいルックス。そんな見た目と履き心地を両立させた革靴だからこそ、マドラスは日本で受け入れられ、支持を集めたのだろう。

現在はより快適な履き心地を提供するべく、機能性にも注力している。そもそも機能に目を向けるようになったのは、ラバーソールというだけで雨の日用の靴と謳われていた10年前。機能に行き着いたのは時代の流れもあるかもしれないが、マドラス社はその流れをいち早くキャッチしたといっても過言ではない。
その証に2002年にはアウトドアギアに多用されていたゴアテックス ファブリクスを搭載したブランド、マドラスウォークをリリース。革靴の上品なルックスはそのままに、防水性や通気性に優れた天候を問わない靴を完成させるなど、歩きやすくて機能的なモデルを次々と生み出していったのである。

なかでも注目すべきは、マドラスのセカンドライン的な位置づけにあるモデロ。ブランドネームはイタリア語で「模範」を意味し、より機能に特化したブランドとして1990年に誕生した。ゴアテックス ファブリクスや防水レザー、抗菌防臭といったさまざまな機能を装備している。さらに2022年春夏から満を辞してスタートしたモデロウォークは、「日本初の圧倒的機能」がキャッチフレーズ。カップインソールには菌やウイルスの増殖を抑制する独自開発のNEW FINE Plusを採用するなど、そのキャッチフレーズのごとくモデロのなかでも機能性が圧倒的に高い。
しかもスニーカーとほぼ同じソールを採用しているので履き心地も申し分なく、片足が約300gという驚きの軽さ。デザインはベーシックゆえに取り入れやすく、かつプライスもマドラスよりもリーズナブルなので、エントリーモデルとしてもうってつけだ。長らくスニーカーブームが続いていることもあり、最近は若者の革靴離れが加速している。だが、スニーカー感覚で気軽に取り入れられるモデロなら、その救世主になるかもしれない。そして100年企業の使命ともいえる革靴の進化は、これからも先も続いていく。

快適性にとことんこだわった
機能的な革靴

上品な見た目とは裏腹に、スニーカーのような履き心地を実現したモデロウォークの1足。アッパーには抗菌・抗ウイルス加工を施した防水牛革を採用しており、さらにゴアテックス ファブリクスを搭載しているので、天気を気にせず履くことができる。
レースステイ部分にはサイドエラステックを施し、シューレースをほどくことなく楽に脱ぎ履きできるのも嬉しいポイント。足当たりをソフトにする履き口のパッドなど、足へのストレスを軽減できるマドラスならではのこだわりも満載だ。外回りが多いビジネスマンだけでなく、革靴になじみがない人もぜひ手に取ってみてほしい。


MODELLO Walk DMW603G

素材
牛革
価格(税込)
¥17,600