Care: Technique
テクニック:レザーアイテム・メンテ術 今すぐ使える10テクニック
2010年発行 「日本の革 3号」より
ペンのインクが付いたときは、革の繊維にインクが入り込んでしまっている状態。これを消すには消しゴムが活躍する。必ず汚れのついていないキレイな消しゴムを用意しよう。角を使って汚れに軽く押し当て、往復させるのがポイント。財布自体が動いて裏面に傷がつくのを防ぐため、下には布を引くことを忘れずに。
色の濃い革小物は、すり傷がつくと結構目立つもの。それもアジのうち、と割り切るに割り切れない時には靴墨が使える。から拭きで表面の汚れを落としたあと、キズのついた方向の逆へ靴墨を塗りこんでいく。最後にもう一度から拭きをすればキズを隠せる。ただし靴墨は服に付着する場合もあるうえ、キズを強引に塗り固めてしまうことになるのであくまで最終手段としよう。
飲み物や食べ物をレザーウエアにこぼしたとき、焦ってこするとシミの原因になってしまう。タオルやティッシュなど、吸水性の高いもので、汚れを押し付けるように叩き取るのがポイントだ。
日常的にお手入れする際のブラッシング、保湿のためのクリームを塗るなどの際には、ウロコに沿って行うのが鉄則。エキゾチックレザーの魅力であるウロコを、逆撫でして痛めてしまっては台無しだ。また、クリームを塗る際には、ウロコの間にクリームが入って固まってしまわないよう注意しよう。
着ることでウエアの形が整うだけでなく、保管中に革が蓄えた湿気を、人の体温や外気に触れることで外に出すことができる。オフシーズンでも、2週間に1度を目安に袖を通すのが理想だ。
カビが大敵の革手袋、表革はから拭き、起毛革はブラッシングでメインテナンスを。縫い目に入り込んでしまった頑固なカビを取るには、使い古しの歯ブラシで掻き出すとよい。長期保管中、梅雨時期には一度陰干しするなどのケアも大切。
革手袋を水につけるのは避けたいが、どうしても取れない頑固な汚れがついてしまった場合は、中性洗剤で水洗いしよう。この時ポイントとなるのは、装着したまま洗うこと。自分の手を洗うように、指の間までくまなく洗おう
お気に入りで使用頻度が高いほど、コバが毛羽立ってきてしまうのが革ベルト。毛羽立ちが進むと服を汚すこともあるのできちんとメインテナンスしたい。そんなコバのお手入れには市販の透明ニスが活躍する。スポンジをガーゼで包んだものに透明ニスを少量付け、ベルトを縦に持ちコバを2、3度撫でればOKだ。
着用後はクローゼットの床にポンと置きっぱなし…なんて人も多いかもしれない革ベルト。しかし保管の仕方ひとつで寿命が大きく違ってくるので気をつけたい。写真のようにハンガーに一本ずつかけて吊るして保管すればOKなので、すぐにでも試してみよう。
起毛革を使ったアイテムは人気が高いが、ほこりや汚れが付着しやすいのが難点。汚れがついたらブラッシングでのケアが基本だが、その際には必ず毛の流れに合わせて丁寧に行うよう心がけたい。