Knowledge: Ladies' Shoes
レディスシューズ:デザインだけではない、 婦人靴の選び方。
2009年発行 「日本の革 2号」より
紳士靴以上に神経質にならなければならないもの、それがヒールだ。ヒールが高ければ高いほどエレガントに見えるが、道具としての機能性は低下していく。
紳士靴の項で解説したあおり運動は血液を循環させるポンプの役割がある。高すぎるヒールは踵をきちんと落とすことができないので、必然、その運動が未熟となる。足が冷えるなどの女性特有のトラブルは、履物が大きく起因しているのだ。
安定した歩行には婦人靴に欠かせないヒール選びを慎重に行うことが大切だが、甲革の意匠、つまりデザインもまた、軽んじてはいけない部分だ。
単純な話、足が靴にホールドされれば安定するわけで、いかに甲を覆った形状を有しているか、がポイントになる。このセオリーに則るならば、ブーツはもっとも安定性が高い。次に高いのがパンプスだが、トップライン(履き口)が例えば指股がのぞくほど浅いタイプは安定性にかける。ご推察の通り、サンダルのアベレージは低い。
デザインによっても履き分ける習慣を身につけることが何よりだが、チェックすべきポイントもそれぞれで異なってくる。留意したい点を紹介しよう。